どこのメーカーもそうだが、最近の車は安全装備に力を入れている。
マツダも例外ではなく、i-activsenseという一連の機能を各車に搭載している。
特徴的なのは、全ての車種にほぼ同等の機能を有しているということだ。
グレードによって微妙な差こそあるが、全く機能が無いというようなことはないので安心だ。
しかも、マニュアル車にも差別なく搭載されているのが嬉しい。
今回は、そんなi-activsenseの機能を説明しよう。
アドバンスドスマートシティブレーキサポート(ASCBS)
アドバンスドスマートシティブレーキサポート、アドバンスドSCBS)は、都市部や低速道路でよく発生する前方への衝突事故を防ぐための機能だ。
いわゆる「自動ブレーキ」というやつだ。
基本的に低速走行時という扱いにはなっているが、80km/hまで対応できる。
さらに、2023年現在発売されている各車は、SBSに一本化されている。
ちと紛らわしいな…。
基本機能
アドバンスドSCBSは、車両の前方に設置されたカメラを使って、前方の車両や歩行者を検知する。
システムが衝突の可能性を感知すると、ドライバーに対して音や警告を発するだけでなく、必要に応じて自動的にブレーキをかける。
どのように動作するか?
- 検知フェーズ: 常に前方の状況をモニタリングする。
特に、交差点や渋滞時、駐車場出口など周りに車や人が多い時に重宝する。 - 警告フェーズ: システムが衝突の危険を検知すると、まずはドライバーに警告する。
- 介入フェーズ: 警告が無視された場合、または反応が遅れた場合、システムは自動的にブレーキをかけ、衝突の影響を最小限に抑える。
どういった場面で有効か?
- 渋滞時: 前の車が急に停止した場合、アドバンスドSCBSが自動的にブレーキをかけてくる。
- 交差点: 右折や左折時、対向車や歩行者との衝突を防ぐために作動する。
- 駐車場: 駐車場での低速運転時にも、他の車や歩行者との衝突を防ぐために有効。
スマートシティブレーキサポート後退時
スマートブレーキサポート SBS
スマートブレーキサポート(SBS)は、主に高速道路や一般道での中・高速度域での衝突リスクを低減する。
これも自動ブレーキだが、どちらかといえば高速走行向けとなる。
2023年現行車種では、ASCBSからこちらに一本化されている。
基本機能
SBSは、15km/h以上で走行している車両の前方に設置されたカメラとレーダーセンサーを使用して、前方の車両や障害物を検知する。
システムが衝突の可能性を感知すると、運転者に対して音や視覚的な警告を発する。
それでもブレーキをかけない場合、自動的にブレーキがかかる。
どのように動作するか?
- 検知フェーズ: システムは常に前方の状況をモニタリングしている。
主に高速道路や一般道での運転時に作動する。 - 警告フェーズ: システムが衝突の危険を検知すると、まずは運転者に警告する。
- 介入フェーズ: 警告が無視された場合、または反応が遅れた場合、システムは自動的にブレーキをかけ、衝突の影響を最小限に抑える。
どういった場面で有効か?
- 高速道路: 前方の車が急に減速した場合、SBSが自動的にブレーキをかける。
- 一般道: 対向車や歩行者との衝突を防ぐために作動する。
- 追い越し時: 追い越しを行う際にも、前方の車両との安全な距離を保つために有効だ。
ブラインドスポットモニタリングシステム BSM
ブラインドスポットモニタリングシステム(BSM)は、運転者が気づきにくい「ブラインドスポット」に存在する車両や障害物を検知することができる。
車線変更の時に、死角に車がいるとサイドミラーに警告灯が点灯する機能だ。
基本機能
BSMは、車両の側面や後方に設置されたレーダーセンサーを使用して、隣の車線や後方にいる車両を検知する。
システムがブラインドスポットに車両や障害物を感知すると、運転者に対してサイドミラーやディスプレイに表示される警告灯や警告音で警告する。
どのように動作するか?
- 検知フェーズ: システムは常に車両の側面と後方をモニタリングしている。
特に、車線変更や一般道での右折、左折時にその能力を発揮する。 - 警告フェーズ: システムがブラインドスポットに車両や障害物を検知すると、サイドミラーやディスプレイに警告灯が点灯し、警告音が鳴る。
どういった場面で有効か?
- 車線変更: 高速道路や一般道での車線変更時に、隣の車線にいる車両を検知します。
- 交差点: 右折や左折時に、側面や後方から接近する車両や人を検知します。
- 駐車場: 駐車場での出庫時にも、後方から接近する車両や人を検知します。
フロントクロストラフィックアラート(リア) FCTA(RCTA)
フロントクロストラフィックアラート(FCTA)
フロントクロストラフィックアラート(FCTA)は、前方から交差してくる車両や歩行者を検知する。
基本機能
FCTAは、車両の前方に設置されたセンサーを使用して、交差点や駐車場で前方から交差してくる車両や歩行者を検知する。
検知した場合、運転者に対してサイドミラーやディスプレイに警告を表示する。
どのように動作するか?
- 検知フェーズ: 交差点や駐車場での出庫時に、前方から交差してくる車両や歩行者を検知する。
- 警告フェーズ: 検知した場合、運転者に対して警告を発します。これは通常、サイドミラーやディスプレイに表示される警告で行われる。
どういった場面で有効か?
- 交差点: 交差点での右折や左折時に、前方から交差してくる車両や歩行者を検知。
- 駐車場: 駐車場での出庫時にも、前方から交差してくる車両を検知。
リアクロストラフィックアラート(RCTA)
リアクロストラフィックアラート(RCTA)は、後方から交差してくる車両を検知するための安全技術だ。
前向き駐車前提の駐車場だったり、やむを得ず道にバックで出なければならない状況の時に非常に役に立つだろう。
本当に、バックで出るのは怖い。
基本機能
RCTAは、車両の後方に設置されたレーダーセンサーを使用して、駐車場での出庫時や後退時に後方から交差してくる車両を検知する。
検知した場合、運転者に対してサイドミラーやディスプレイに表示される警告灯や警告音で警告する。
どのように動作するか?
- 検知フェーズ: 駐車場での出庫時や後退時に、後方から交差してくる車両を検知する。
- 警告フェーズ: 検知した場合、運転者に対して警告を発します。これは通常、サイドミラーやディスプレイに表示される警告灯や警告音で行われる。
どういった場面で有効か?
- 駐車場: 駐車場での出庫時や後退時に、後方から交差してくる車両を検知。
トラフィックサイン・リコグニション TSR
トラフィックサイン・リコグニション(TSR)は、運転中に出現する交通標識を自動で認識し、ドライバーに情報を提供する。
基本機能
TSRは、車両の前方に設置されたカメラを使用して、道路上の交通標識(速度制限、一方通行、停止など)を検知する。
検知した交通標識の情報は、ディスプレイに表示され、運転者に警告や情報を提供する。
どのように動作するか?
- 検知フェーズ: システムは常に前方の状況をモニタリングしています。特に、新しい速度制限区域や交差点に近づいた際にその能力を発揮する。
- 警告フェーズ: システムが交通標識を検知すると、その情報を運転者に対して表示する。これは通常、ディスプレイに表示される警告で行われる。
どういった場面で有効か?
- 速度制限区域: 新しい速度制限区域に入った際、システムが自動でその情報を提供する。
- 交差点: 停止標識や譲り合い標識など、交差点で重要な交通標識を自動で認識する。
- 一方通行: 一方通行の道に入る前に、その情報を運転者に提供する。
アダプティブLEDヘッドライト
アダプティブLEDヘッドライト(ALH)は、運転状況や道路環境に応じてヘッドライトの照射範囲や方向を自動で調整する。
基本機能
ALHは、車両の前方に設置されたセンサーとカメラを使用して、道路状況、交通状況、車速などを検知する。
これらの情報に基づき、ヘッドライトの照射範囲や方向を自動で調整し、運転者に最適な視認性を提供する。
どのように動作するか?
- 検知フェーズ: システムは常に前方の状況をモニタリングしています。特に、カーブや交差点、他の車両との距離などに応じてヘッドライトの照射を調整する。
- 調整フェーズ: システムが必要な情報を検知すると、ヘッドライトの照射範囲や方向を自動で調整する。
どういった場面で有効か?
- カーブ道: カーブを曲がる際に、ヘッドライトが曲線に沿って照射され、視認性が向上する。
- 交差点: 交差点に近づくと、ヘッドライトが広範囲に照射され、歩行者や他の車両を早く発見できる。
- 高速道路: 高速道路では、ヘッドライトが遠くまで照射され、遠くの障害物や車両、標識を早く認識できる。
ハイビームコントロールシステム HBC
ハイビームコントロールシステム(HBC)は、夜間運転時に他の車両や歩行者に対する眩惑を防ぎながら、照明を最適にできる。
基本機能
HBCは、車両の前方に設置されたカメラを使用して、対向車両や先行車両、歩行者を検知する。
他の車両や歩行者を検知すると、ハイビームとロービームを自動で切り替え、視認性を高めつつ、対向車や歩行者への眩惑を最小限に抑える。
どのように動作するか?
- 検知フェーズ: 常に前方の状況をモニタリングする。
- 切り替えフェーズ: システムが対向車両や先行車両、歩行者を検知すると、ハイビームとロービームを自動で切り替える。
どういった場面で有効か?
- 夜間運転: 夜間において、対向車両や先行車両がいる場合、自動でロービームに切り替え、眩惑を防ぐ。
- 人口密集地: 夜間でも人が多く歩いている場所では、歩行者に対する眩惑を防ぐためにロービームに切り替える。
- 高速道路: 高速道路では、他の車両が少ない場合にはハイビームで遠くまで明るく照らし、視認性を高める。
アダプティブフロントライティングシステム(AFS)
AFSは、ステアリングの舵角に応じてヘッドライトの照射角度を調整する。
これにより、カーブや交差点での視認性が向上し、運転者が安全に車を操作できるようになる。
どのように動作するか?
- 舵角検知: ステアリングを切ると、その舵角を検知します。
- 角度調整: 舵角に応じて、ヘッドライトの照射角度が自動で調整される。
どういった場面で有効か?
- カーブ道: カーブを曲がる際に、ヘッドライトが曲線に沿って照射されるため、視認性が向上する。
- 交差点: 交差点で曲がる際にも、ヘッドライトの照射角度が調整され、歩行者や他の車両をより早く、そして明確に認識できる。
車線逸脱警報システム LDWS
車線逸脱警報システム(LDWS)は、車両が自分の走行レーンから逸脱しそうになった場合に、ドライバーに警告を発する。
基本機能
LDWSは、車の前方に設置されたカメラとセンサーで、道路上のレーンを検知する。
レーン逸脱を検知すると、音声や警告表示でドライバーに警告を出す。
どのように動作するか?
- レーン検知: システムは前方のレーンを検知し、車両の位置を常に監視する。
- 警告発信: システムがレーン逸脱を検知すると、ドライバーに対して警告音で警告する。
どういった場面で有効か?
- 高速道路: 長距離の高速道路走行での疲れや注意力の低下によるレーン逸脱を防ぐ。
- 都市部: 繁忙な都市部でも、他の車両や歩行者に気を取られがちな場面で、運転者にレーン逸脱の危険を警告する。
レーンキープアシスト LAS
レーンキープアシスト(LAS)は、車が自分の走行レーンから逸脱しそうになった場合に、自動的にステアリングを調整して車をレーン内に戻す。
基本機能
LASは、車両の前方に設置されたカメラとセンサーを使用して、道路上のレーンを検知する。
システムがレーン逸脱を検知すると、自動的にステアリングを微調整して車両をレーン内に戻す。
どのように動作するか?
- レーン検知: システムは前方のレーンを検知し、車両の位置を常に監視する。
- ステアリング調整: システムがレーン逸脱を検知すると、自動的にステアリングを微調整して車をレーン内に戻す。
どういった場面で有効か?
- 高速道路: 長距離の高速道路走行での疲れや注意力の低下によるレーン逸脱を防ぐ。
- 都市部: 都市部で、他の車両や歩行者に気を取られがちな場面で、レーン内に車を保つ。
マツダ レーダークルーズコントロール MRCC
マツダ レーダークルーズコントロール(MRCC)は、前方の車両との距離を自動で調整しながら、設定した速度で走行を維持する。
基本機能
MRCCは、車両の前方に設置されたレーダーセンサーで、前方の車両との距離を検知する。
前方の車両を検知すると、その車両との安全な距離を保ちながら速度を自動で調整する。
どのように動作するか?
- 距離検知: 前の車との距離をレーダーセンサーで検知する。
- 速度調整: 前の車を検知すると、安全な距離を保つように速度を自動で調整する。
どういった場面で有効か?
- 高速道路: 高速道路での長距離走行において、前方の車両との安全な距離を自動で保つ。
- 渋滞: 渋滞時でも、前車との距離を自動で調整し、運転者の負担を軽減する。
ドライバーアテンションアラート DAA
ドライバーアテンションアラート(DAA)は、運転者の疲れや注意力の低下を検知し、必要な場合には運転者に休憩を促す警告を発する。
基本機能
DAAは、車両の運転状況や運転者の操作パターンを監視する。
疲れや注意力の低下の兆候が検知された場合、警告メッセージを表示し、音声で運転者に警告する。
どのように動作するか?
- 運転状況監視: システムはドライバーの操作パターンや車両の運転状況を常に監視する。
- 警告発信: 疲れや注意力の低下が検知された場合、ドライバーに対して警告する。
どういった場面で有効か?
- 長距離運転: 長時間の運転で疲れがたまる場合、システムがドライバーに休憩を促す。
- 夜間運転: 夜間は特に注意力が低下しやすいため、システムがその状態を検知して警告する。
まとめ
マツダのi-activsenseを一通り紹介した。
微妙にマイナーチェンジを繰り返していて、統廃合があったりしてややこしいが、基本は押さえているといった感じだ。
グレードによる違いはあるが、全車種に装備されているので、安全性は比較的高いだろう。
ただ、こういった安全装備は過信は禁物だ。
最後に周りと自分を守るのはドライバー自身であることを忘れてはならない。
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