MT車の運転は難しいと思ってはいないだろうか。
確かにAT車と比べると、操作が多く、慣れが必要なのは事実だ。
だが、逆に言えば、慣れてしまえば大して難しくはない。
私も、教習中はかなり苦戦したクチだが、実際にMT車を買ってみて運転していくうちに慣れてしまった。
今では、特に不自由なく運転することができている。
まずはクラッチ操作に慣れよう
MT車最大の特徴が、クラッチペダルがあるということだろう。
そして、このクラッチペダルの操作のせいで、MT車が嫌いになってしまう人も多い。
慣れないうちはエンストを繰り返し、変速がギクシャクし、正しいギアを選べないなんてこともよくある。
実は、この辺り、慣れていてもエンストするときはするし、変速だって完璧に決めるのは難しい。
だから、全然気にすることはない。
発進時の半クラッチ
よく半クラと言われる操作だ。
クラッチペダルを半分だけ戻したような状態であるため、こう呼ばれる。
まず、半クラッチの説明を簡単にしておこう。
MT車はエンジン側とミッション側をクラッチを介して繋いでいる。
クラッチをつなげている(クラッチペダルを踏んでいない)状態だと、エンジンの動力がミッションに伝わってギアを回して、タイヤを転がしている。
発進時は、いきなりガッツリとクラッチをつなげてしまうと、タイヤを転がすだけの力が伝わらず、エンジンが止まってしまう。
エンジンの力<タイヤを転がす力、というわけだ。
これがエンストだ。
こうならないために、半クラッチを使い、少ーしずつ力を伝えていく。
クラッチペダルを少しずつ戻して、軽くショックがある位置がある。
ここが半クラッチの位置だ。
この、エンジン側とミッション側が、つながるかつながらないかの微妙なラインを維持するのだ。
一度タイヤが転がりだしてしまえば、アクセルを軽く踏みながらクラッチをつないでしまって大丈夫。
だが、これがなかなかうまくいかない。
教習中はむしろうまくいかないのが当たり前だ。
どのくらいクラッチペダルを戻せば半クラッチになるかは、車体によって微妙に違う。
教習車はとっかえひっかえ乗るので、やりやすい車、やりにくい車があったりする。
私の時は、「クラッチ壊れてるんじゃねーの?」と疑いたくなるくらいやりにくい車体があったことを覚えている。
シフトチェンジの時のクラッチ操作
ギアを変えてシフトチェンジをするのが、MT車では必須だ。
このシフトチェンジをいかに上手くやるかがMT車の醍醐味でもある。
よく言われるのが、「スパっと切って、ジワっとつなぐ」。
クラッチを切るときは、一気にクラッチペダルを床まで踏んでクラッチを切る。
ギアを入れたら、クラッチペダルを一気に戻すのではなく、ゆっくり繋ぐとスムーズにギアチェンジができる。
他にもエンジンの回転数とギアの関係もあるが、それは別途説明しよう。
エンジン回転数を気にしよう
MT車を運転している人は、よくエンジンの回転数を気にしている。
タコメーターの数字のことだ。
これは、速度と回転数とギアの段数が密接に関係していて、これらをしっかり覚えておかないとシフトチェンジがうまくできない。
これらが合っていないと、変速ショックがでて、クラッチをつないだ瞬間にガクッと揺れる。
といっても、運転していくうちに体が覚えてしまうので、難しく考える必要はない。
シフトアップをする時
具体的な数字で説明しよう。
例えば、
1速 20Km/h 3,000回転
2速 20Km/h 1,500回転
という車があったとしよう。
1速で発進し、加速して20Km/hになったときにシフトアップして、2速に入れたいとなったときに、クラッチを切って2速に入れて、再度クラッチをつなぐ。
この時、クラッチをつなぐ時に、エンジンの回転数が1,500回転であれば特にショックがなくつなぐことができる。
だが、慌てて操作をし、2,000回転までしか回転数が落ちていない状態でクラッチをつないだらどうだろう。
エンジン側は1,500回転で回りたいのに、2,000回転の状態でつながれてしまうと、本来の回転数より高いので、スムーズにつながらない。
これが変速ショックの原因だ。
きちんと回転数が落ちてから、落ち着いてクラッチをつなごう。
シフトダウンをする時
シフトダウンはシフトアップよりも若干難しい。
例えば、
2速 30Km/h 2,000回転
3速 40Km/h 1,500回転
という関係だったとしよう。
3速で走っていて、2速に落としたい時は、シフトアップとは逆に回転数を上げてやらないといけない。
一部の車種を除いて、勝手に回転数が上がることはないので、アクセルを踏む必要がある。
ブリッピングといって、空ぶかしをしてエンジン回転数を上げる操作だ。
たまに、スポーツカー系の車が赤信号やカーブの前で、ブオン!と吹かしているのを見たことがないかな?
あれがブリッピングだ。
今回の事例だと、40Km/hで走っていて、減速しつつ2速に落としたい。
手順はこうだ。
ブレーキを軽く踏んで、クラッチを切って、2速にギアを入れる。
そして、アクセルを踏んで2,000回転まで上げて、クラッチをつなぐ。
こうすることで、回転数が合ってスムーズなシフトダウンができる。
まとめ
結局、MT車といえどもクラッチ操作とシフトチェンジさえできてしまえば、何ら不自由なく運転できる。
自分のテクニックがダイレクトに運転のスムーズさに出るので、運転が上達することが実感できるに違いない。
クラッチ操作とシフトチェンジのコツをつかんで、ぜひともMT車を操ってみてほしい。
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