ロータリーエンジンを発電機として使用するシリーズ式プラグインハイブリッド(PHEV)、MX30ロータリーEVが発売になった。
ちなみに、ハイブリッドには、このシリーズ式のほか、パラレル式、スプリット式がある。
だが、今回のロータリーエンジンは、走行用ではなく発電用。
普段はEVとして使えて、充電が減ってきたらエンジンで充電をする。
ロータリーエンジンは、マツダの特徴的な技術であり、コンパクトで高出力性。
今回は、発売されたばかりのMX30ロータリーEVの特徴やスペック等をお伝えする。
ロータリーEVモデルの特徴
ロータリーEVモデルの特徴は、以下のとおりだ。
- バッテリーからの電力のみで107kmの航続が可能で、エンジンで発電することで充電切れを心配せずに長距離走行をおこなうことができる。
- ロータリーエンジンは、モーターとジェネレーターと同軸上に配置されており、車両重量や振動を低減し、静粛性や燃費効率を向上させている。
- 充電機能や給電機能も備えており、走行モードも「Normal」「EV」「Charge」3つから選べる。
(CHARGEモード)
https://www2.mazda.co.jp/carlife/owner/manual/mx-30/dr/edki/contents/14150104.html
発電システムを始動し、あらかじめ設定した目標充電量になるように駆動用バッテリーを充電しながら走行します。目標充電量になると目標充電量を維持するように発電します。
(NORMALモード)
駆動用バッテリーの状態や車両の走行状態に応じてモーターと発電システムを最適に制御し、十分な駆動力を確保して走行します。
(EVモード)
駆動用バッテリーに蓄えた電力を使用して走行します。駆動用バッテリーの残量が少なくなると発電システムを始動して走行します。
ロータリーEVモデルのスペック
ロータリーEVモデルのスペックは、以下の表に示す通り。
項目 | 内容 |
---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 4395×1795×1570 |
ホイールベース(mm) | 2655 |
車両重量(kg) | 1780 |
乗車定員(名) | 5 |
駆動方式 | FF |
EV航行距離(km) | 107 |
燃費(km/l) | 15.4 |
普通充電時間(3KW/6KW) | 約3時間50分/約1時間50分 |
急速充電時間 | 約25分 |
燃費と航続距離
- 一充電あたりのEV航続距離(WLTCモード)は107km。
- エンジン燃費(WLTCモード)は15.4km/リッターで、燃料タンク容量(50L)を考慮すると770km走行可能。
- 単純計算の合計で、EV走行とエンジン走行を合わせると877km走行可能。(当初の発表だと640~650km?)
- しかし、ハイブリッドモデルの燃費は15.6km/リッターで、燃料タンク容量(51L)を考慮すると約795km走行可能。燃費だけを見ると、ハイブリッドでもよさそうなものだが…。
ロータリーEVモデルの価格とグレード
ロータリーEVモデルの価格とグレードは、以下の表に示す通り。
グレード | 価格(円、税込) |
---|---|
ロータリーEV | 4,235,000 |
ロータリーEVインダストリアルクラシック | 4,785,000 |
ロータリーEVモダンコンフィデンス | 4,785,000 |
ロータリーEVナチュラルモノトーン | 4,785,000 |
ロータリーEVエディションR | 4,917,000 |
素のロータリーEVグレードは、安い(でも結構高い)だけあって、豪華装備や装飾が一切付いていない。
ステアリングやシフトノブもウレタンである。
これはいわゆる「営業車グレード」と言えよう。
とはいえ、エアバッグや各種ドライブアシストは、全グレード標準装備なので、そこらへんは安心だ。
インダストリアルクラシック、モダンコンフィデンス、ナチュラルモノトーンは、アダプティブLEDヘッドライト、クルージング&トラフィックサポート、前席のシートヒーター、運転席の電動調節機能などが装着されている。
これが、世間一般でいう「通常仕様」であろう。
エディションRは、完全にファン向けと見え、ヘッドレストやフロアマットにロータリーエンジンの装飾が付いていたり、専用キー、そして専用カラーが選べたりする。
それ以外は、中間グレードと同じだ。
条件はあるものの各種補助金もあるので、額面よりは安く買えるが、それでもプラグインハイブリッドはまだまだ高価だ。
他車との比較
似たような他社との比較はどうだろうか。
航行距離を中心に比較してみよう。
車種 | 燃費(km/l) | 燃料タンク容量(L) | 航行距離(km) | EV走行可能距離(km) | 価格(円) |
---|---|---|---|---|---|
MX-30 Rotary EV | 15.4 | 50 | 770 | 107 | 4,785,000 |
プリウスプラグインハイブリッド | 26 | 40 | 1040 | 87 | 4,600,000 |
ノートe-POWER | 28.4 | 36 | 1022 | 不明 | 2,249,500 |
これを見ると、MX30は総航行距離がやや短いと見える。
とはいえ、EVのみでの走行距離は107kmと長い。
近場の普段使いで、自宅充電ができる環境であれば、航行距離の短さはそこまでネガティブ要因にはならないだろう。
まとめ
MX30ロータリーEVが発売された。
ロータリーエンジンが走行用ではないのが残念だという人も多いのではないかと思うが、それでもロータリーエンジンを復活させた、という意義も大きいだろう。
とはいえ、実用性はどうなのよ、というとEVではあるが突出して燃費が良いわけでもなさそうだ。
これはマツダあるあるだが、実用性よりも「ロマン」を重視しているのではないかと感じるのである。
あなたはどう感じるだろうか?
コメント