以前、マツダ3ファストバックをカーシェアで借りた。
マツダ3のことは過去記事をご参照いただくとして、今回は、今私が乗っているアクセラスポーツ15Sとの比較をしてみたいと思う。
最初に結論から言うと、マツダ3は確かに良い車だし、とても気に入っている。
だが、アクセラスポーツと比較してしまうと、そこまで劇的に変わったかな?というのが正直なところだ。
色々なメディアや個人サイトでは、べた褒め記事が目立つが、個人的にはそういう風にはならなかったということはお断りしておこう。
エクステリア
エクステリアは最も好みが分かれるところだろう。
ちなみに、私個人的にはマツダ3よりもアクセラスポーツの方が好きだ。
マツダ3は、2020年のワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーを受賞した。
(ちなみに、マツダは過去にデミオ、ロードスターでも同賞を受賞している。)
つまり、マツダ3のデザインは世界的に認められているという事実は間違いない。
ただ、マツダ3のデザインをべた褒めする意見が多い中、本当に申し訳ないのだが、個人的には、マツダ3セダンは文句なしに流麗でかっこいいとは思うのだが、実はファストバックはあまり好きではない。
理由は、Cピラー(後ろの方)周りがあまりにのっぺりしすぎているように感じられるためだ。
こうして並べてみると、アクセラスポーツの方が引き締まった感じがしていて、マツダ3の方は何となく間延びしている印象を受ける人もいるのではないだろうか。
繰り返しになるが、デザインは完全に好みの問題なので、どちらが優れているとかは無い。
マツダ3のすっきりしたフロント周りや全体的に流れるようなフォルムが良い、という見方も十分できる。
インテリア
インテリアについては、マツダ3とアクセラでそう大きくは変わらない。
マツダ3の方は全体的に水平基調になっていて、すっきりした印象を受ける。
最大の違いは、マツダ3は天井が低い。
私は175cmで座高が高いので余計にそう感じるのであろうが、アクセラスポーツと比較しても明らかに低い。
窓枠の上の方が頭のすぐ斜め上にある感じ。
圧迫感はかなりある。
メーター周り
メーター周りはマツダ3の方がややシンプルに感じる。
もしくはクラシカルと言った方がしっくりくるだろうか?
左からタコメーター、スピードメーター、水温・残油計が備えられている。
まさに「計器」といった感じで、とても見やすい。
アクセラスポーツと違って、全てアナログメーターなのも古い人間にとっては嬉しい。
こうしてアクセラスポーツと比べてみると、アクセラスポーツのは枠がたくさんあり、少しごちゃごちゃした印象を受けなくもない。
マツダ3のを見る前は、アクセラスポーツも十分シンプルだと思っていたんだけどね。
シート
シートは見た目はそこまで変わらないが、座った感覚が明らかに違った。
とても固い。
アクセラスポーツもそこそこの固さがあるが、マツダ3はそれ以上に固い。
しかし、不快な固さではなく、運転しているうちに次第に慣れてきて、むしろこのくらいがちょうどいいのでは?という感覚になる。
そして、乗っていて疲れない。
シートは、アクセラスポーツよりもマツダ3の方が断然良いと感じた。
コンソールボックス
地味に便利なのが、コンソールボックス兼アームレスト(肘置き)。
アクセラスポーツにもあったが、もちろんマツダ3にもしっかりある。
しかも、アクセラスポーツは固い樹脂なのに対して、マツダ3は柔らかい素材なので肘を置いた感覚も快適だ。
後部座席
マツダ3の後部座席は(マツダ車にしては)意外に広い。
身長175cmくらいの私のポジションに合わせて座ってみると、だいたい拳2つ分くらいの膝前スペースがある。
シート下に足が入るので、何時間も乗るというのでなければそれほど苦にもならないだろう。
ただ、窓が小さいので閉塞感はある。
良く言えば包まれ感のようなものがある、と言えるのだが、やっぱり後ろに乗っている人は外を見たくもなるだろう。
特に、小さな子供などはなおさらだ。
アクセラスポーツはそんなに開放感があるわけでもないのだが、マツダ3よりはましである。
後方視界
後方視界は、マツダ3もアクセラスポーツも絶望的だ。
マツダ3になって一段と悪くなっていると感じる。
エクステリアでも触れた極太のCピラーがここで悪さをしてしまっている。
アクセラスポーツの時点で、すでに後ろを目視させる気はないのだが、それでも、後部座席のヘッドレストの両端まではリアウインドウが広がっている。
角度にもよるが、マツダ3のはだいたいヘッドレストの半分程度までしか、リアウインドウがない。
さらに、内装が黒に統一されているのが、暗さを増している。
運転しているだけなら黒い内装は落ち着いていていいんだけ
ラゲッジスペース
ラゲッジスペースの広さ自体はマツダ3もアクセラスポーツもそれほど変わらない。
よくある「ゴルフバッグ4つ」などと言わなければ、普段使いする分には何ら不自由はない。
ただ、これはアクセラスポーツの方が少々使いやすいのでは?と言える。
マツダ3はわずかながら開口部が狭く、そしてやや高い位置にあるのだ。
走行性能
走行性能に関しては、結論から言うとそれほど劇的には変わらないと感じた。
アクセラスポーツの時点でかなり完成度が高いので、それを熟成させたといったところだろう。
ハンドリング
アクセラ系で個人的に気に入っているのがハンドリングの素直さだ。
これは、マツダ3とアクセラスポーツでほとんど違いは感じられなかった。
ただ、マツダ3の前の前、BL型のアクセラはハンドリングがかなりクイックな印象を受けた。
マツダ3とBMアクセラスポーツは、そこまでクイックではないが、かといって反応が遅れるわけでもなく非常に素直なハンドリングだ。
マツダ3やアクセラスポーツの後期型にはGベクタリングコントロールという機能が付いていて、ハンドルを切ると、エンジンがトルクをコントロールしてスムーズなコーナーリングができる。
要は、不快な揺れやハンドルの切り足しなどが減る。
実際、Gベクタリングコントロールが付いていない私の前期型アクセラスポーツと比較すると、マツダ3の方が明らかにコーナーリングがスムーズだった。
乗り心地
乗り心地はやや固めだ。
不快な突き上げがあるというわけではないのだが、流行のSUV的なゆったりめの乗り心地を想定しているとちょっと固めに感じるだろう。
感じ方には個人差があるが、ドライバーズカーとして走りを楽しみたいという人は満足できるだろう。
逆に乗り心地にこだわりがある人や家族などは意見が分かれるところかもしれない。
静粛性
静粛性はあまり良くないと言わざるを得ない。
これは、マツダ3もアクセラスポーツも同じだ。
やはり、車格的にもここは妥協しなくてはならない点であろう。
街乗りではそこまでひどくはないのだが、荒れた路面や高速道路などではやはり、ロードノイズや風切り音が入ってくる。
エンジン音もちょっと回すと盛大に入ってくるが、これは好き好きだろう。
私はエンジン音が聞こえた方が、走っている、という感じがして好きだ。
加速感
今回借りたのはマツダ3の1.5リッターガソリンなので、それとアクセラスポーツの1.5リッターガソリンとの比較だ。
これもそれほど変わりがなく、両方とも遅い。
重い車体に小さなエンジンなので、やはり遅い。
とはいえ、低回転からトルクが出るようにセッティングされているので、街乗りは意外とスムーズに走れる。
アクセルはオルガンペダルで踏みやすく、踏めば踏んだだけ加速感が立ち上がる。
マツダ3の6ATは、最近のATらしく、滑りはほとんどない。
ブレーキ
ブレーキはマツダ3もアクセラスポーツも踏めば踏んだだけ効いてくる。
踏んだ瞬間に強く効くカックンブレーキではなく、コントロールがしやすい。
ただ、若干マツダ3の方が効きが弱いように感じた。
マニュアルモード
私のアクセラスポーツは6MTなので、ここの説明はマツダ3のみとしたい。
マニュアルモードは、言っては悪いが、やはりというかオモチャの域を出ない。
シフトアップは以前に乗ったデミオよりはわずかに速い気もするが、やはり一呼吸ある。
シフトダウンは明確に違和感がある。
エンジンブレーキをかけようとレバーを動かした瞬間、一瞬ニュートラルになって空走するような感覚になるのだ。
すっぽ抜けるとでも言うべきか。
個体差なのかはわからないが、この点は、マニュアルモードは使いづらい。
まとめ
マツダ3とBMアクセラスポーツの比較をしてみた。
マツダ3はアクセラスポーツの正統進化形とも言える車で、アクセラスポーツと同じく完成度がかなり高い。
アクセラスポーツから乗り換えても違和感はないだろう。
アクセル、ブレーキ、ハンドリングが高いレベルでまとまっていて、マツダの人馬一体を存分に感じることができる。
逆に言えば、アクセラスポーツの完成度が高いため、あえてマツダ3に乗り換えるメリットが感じにくいというのもまた事実だ。
私がその一人で、マツダ3は確かに気に入ったのだが、アクセラスポーツから乗り換えるか?と聞かれると「うーん…」となってしまう。
しかし、見た目が気に入っていて、利便性よりも走りの気持ちよさを味わいたい、買うなら新型!というのであればマツダ3は十分に選択肢にあがると言えよう。
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