マニュアル車がうざいと感じられてしまうのは本当か？3つの理由を考えてみた

マニュアル車、オートマ車論争を見ていると、よくマニュアル車がめんどくさいとか古いとか言われている。
かたやオートマ車は運転がつまらないとか下手くそが乗るとか言われている。

私自身も、MT原理主義者などというふざけた名前を名乗っているのであまり説得力はないのだが、マニュアル車乗りはうざいなどと言われていることがある。
なぜそんなことが言われてしまうのだろうか？
ちょっと考えてみよう。

マニュアル車以外は車ではないと言ってしまう

この考え方の人は、マニュアル車に乗っている人に比較的よくいることだろう。
正直、私自身も片足くらいこっちに突っ込んでしまっている感はある。

とにかくマニュアル車は運転が楽しいのだ。
自分の思った通りのタイミング、速度でシフトチェンジ、加速、減速が行えるので、いわゆる人馬一体感が味わえる。

これは、何だかんだ言って今のオートマ車が賢くなって、レスポンスもアップしているとはいえ、絶対にマニュアル車の領域には到達できないと私は思っている。
確かに今のオートマはギアの段数も増えているし、ロックアップ領域を広げてレスポンスアップが図られていて、昔の4速ATのようなズルズル感は圧倒的に減っている。
しかし、オートマ車の場合、必ず車側の意思のようなものを挟むので、人馬は一体にならない。

マニュアル車の一体感に魅せられてしまった人は、マニュアル車以外は車じゃないという考えに至ってもやむなしと言えるだろう。

オートマにマウントを取ってしまう

これも割とありがちなのだが、オートマ車よりマニュアル車の方が優れている、と思ってしまう人もいる。

こと操作する楽しみという点においては、オートマ車はマニュアル車には絶対にかなわないだろう。
マニュアル車はほぼ完全に運転手の思い通りに操作することができる。
シフトチェンジしたい時にして、加速、減速したい時に思ったとおりに加速、減速ができる。

オートマ車も最近はずいぶん良くなっているものの、シフトチェンジは自動なので、完全に自分の思い通りにはならない。
オートマで自分の思い通りにシフトチェンジしようとすると、ある意味マニュアル車の運転よりも忙しく、気をつかうことと思われる。
微妙なアクセル開度なんかを気にしないといけないからね。

そして、加速する時もシフトダウンにやや時間がかかる。
キックダウンで一気にギアを下げて加速したい時はなおさらだ。
アクセルを踏み込むと一瞬の空走があり、一呼吸おいてエンジン回転数が上がり、そこから一気に加速していく。

この加速までの一瞬の間は、おそらくマニュアル車で自分でシフトチェンジする時間よりもはるかに短く、正確だろう。
しかし、マニュアル車の運転が染みついている運転手には、この一瞬の間に違和感がある場合が少なくない。
かく言う私もそうだ。

ということで、運転の一体感ではマニュアル車の方が圧倒的に上だ！と感じてしまうわけだな。

さらにもう一つ、オートマ車は誰でも運転できてしまう。
足が届けば、小学生でも運転できてしまうほど簡単だ。
なんなら無免許でも適当にやっていればすぐに動かせてしまう。

実際、子供が運転したとか、何十年間ずっと無免許で乗っていた、という事件もたまに起きている。

そういうわけで、マニュアル車を運転できる、ということで一種の優越感を感じる人もいる。
とはいっても、実際はマニュアル車でもちょっと練習すれば誰でも運転できてしまうのだが…。

運転が上手いと思っている

これは、オートマ車は誰でも運転できる、マニュアル車は運転が難しい、という思い込みによるものなのだ。
マニュアル車を運転できる、ということで運転が上手いと勘違いしてしまう人もいることだろう。

ただ、統計を取ったわけではないのだが、これは一部では事実とも言えないこともない。

なぜなら、オートマ限定免許ができて久しく、本来ならマニュアル車すら運転できないで挫折するド下手くそでも免許が取れてしまう。
そんなドライバーが道にあふれてくると、当然、信じられないくらい下手な運転をする輩も出てくる。

一方マニュアル車の場合、今の時代でいうと、よほどの車好き、運転好きでない限り乗ることはない。
今は、わざわざ探さないとマニュアル車にはお目にかかれない時代だ。

そうなると、運転自体に興味があり、ちょっとでも上手くなろう、という意識が働くものだ。
そのように運転の練習を無意識のうちに繰り返すことになるので、自然と上手くなる傾向もあるといえるだろう。

もっとも、日本の乗用車の99％はオートマ車なので、母数が圧倒的に多い分、異次元のド下手くそも一定数まぎれているのは不思議なことではない。

誤解してほしくないのは、オートマだから下手、マニュアルだから上手い、というわけではないということだ。
車の運転自体は大好きだが、欲しい車にマニュアル設定がないとか、マニュアル車に乗っていて腕を磨いていたが、家族のために仕方なくミニバンに、などということもあるだろう。
だから、十把一絡げにオートマ下手マニュアル上手いとはならない。

まとめ

マニュアル車乗りがうざいと言われてしまう原因を3つあげてみた。
マニュアル車は確かに、オートマ車では絶対に味わえない運転自体の楽しみがある。
だが、オートマ車には利便性や快適性がある。
もちろん、オートマ車の利便性や快適性にあぐらをかいて、とんでもない運転をするのは論外だが、それぞれの長所、短所があることは覚えておくべきだろう。

私自身は、マニュアル車でも十分快適に運転しているので全く苦にはならないが、オートマ車のスムーズさはたまに羨ましくなることがある。
人の送迎なんかは、当然オートマ車に分がある。

私はオートマ車は退屈なのであまり積極的には乗りたくないが、それぞれの良さを堪能すべきだろう。

当然、上手い運転で、という前提付きだが。